音声認識AIは私たちの未来をどう変える?

少し前までは、コンピュータに話しかけるだけで何かの操作をしたり、質問への答えを探させたり、食料雑貨の購入手配をするといったことはSFの世界の話にすぎませんでした。ところが、ここ数十年の音声認識人工知能(AI)技術の急速な発展により、かつて夢に描いたこと以上のことが実現しています。音声認識AIあるいは会話型AIはテレビゲームやスマートフォン、自動車にも搭載されています。急速に進化する技術は、私たちの生活に何をもたらすのでしょうか。

 

音声認識AIの開発史

音声認識AIの開発史を簡単に振り返ってみます。最初の音声認識AIは、現在私たちの身近にあるアップルのSiriやアマゾンのAlexaとは似ても似つかないものでした。音声認識の研究は1950年代に始まりました。アメリカの通信研究所であるベル研究所が発表した「Audery(オードリー)」という音声認システムは、1~9までの数字を認識することができるものでした。1960年代になると、コンピュータ関連企業のIBMが世界初の音声認識計算機「Shoebox(シューボックス)」を発表。Shoeboxは0~9までの数字に加えて16の英単語を認識し、計算を行うことができました。1970~80年代にかけては、米軍で音声認識開発が進み、その研究成果もあってより大きく発展しました。そして1990年代前半には、数千語の語彙を持つ音声認識プログラムが登場したのです。

 

1990年代に入ると、パーソナルコンピューター(パソコン)が登場し、音声認識技術が身近な製品にも使われるようになりました。機器の処理能力が高速化するにつれ、AI技術の開発も進みました。2000年代前半には音声認識の精度が80%に達し、2011年にはアップルの音声アシスタント「Siri」が登場、2016年にはグーグルの音声認識APIの「こうした歴史を経て、音声認識AIは何百万人もの人々の手に渡り、膨大な量の から学習することができるようになったのです。今日も音声データの収集を利用した音声認識AIツールを巡る競争、革新、開発が続いており、技術の進歩のペースは急速に早まっています。

 

音声認識AIは、私たちの生活をどのように変えているのか

 

音声認識で最も身近なものはスマートフォンでしょう。スマートフォン音声認識AIは、録音した音声からの文字おこしや、道案内アプリの音声ガイドなどに使われています。外国を旅行した際には、スマホ音声認識AIを搭載した通訳アプリで瞬時に自分の言葉に通訳・翻訳することもできます。家の中では、AIスピーカーに「トイレットペーパーを買い足して」と話しかければ、翌日に届けられます。IoT技術の進化により、エアコンや冷蔵庫に組み込まれた音声認識AIは、ますます私たちの身近な存在になっています。音声認識AI技術としては、サムスンのBixby、マイクロソフトのCortana、アマゾンのAlexa、グーグルの Assistant、アップルのSiriなどが有名ですが、他にもさまざまなものが市場に出回っています。

 

音声認識AIは、私たちの日々の生活にとどまらず、教育から医療、金融に至る、さまざまな分野や業界に大きな影響を与えています。COVID-19の大流行は、人々の働き方やコミュニケーションのあり方を変え、多くの分野で音声認識AIの導入を後押しすることとなりました。教育現場では、遠隔学習を余儀なくされた学生や教師が、 や情報検索に音声認識AI技術を活用しています。医療現場では、パンデミックとの戦いに疲れた医師が、ワークフローを効率化するために音声駆動 に注目しました。また、銀行やIT業界では、顧客の問い合わせ対応や顧客とのやり取りを自動化することでスタッフの負担を軽減させようと、音声認識AIの導入を進めています。つまり、私たちの生活のいたるところに音声認識AIが入り込んでいるのです。

 

音声認識AIはどう変化していくのか

 

技術開発が急速に進むにつれ、音声認識AIも急速に変化していくでしょう。ますます高度化し、対応できる言語や相互作用が増えれば、可能性はほぼ無限に広がります。既にAIは生活の中に浸透しているので、音声認識AIが今後も生活においてさらに大きな役割を果たすと考えるのはごく自然なことです。医療と教育における音声認識AIの発展の見込みと、用途における可能性と懸念について書き出しておきます。

 

音声認識AIはどう変化していくのか

 

技術開発が急速に進むにつれ、音声認識AIも急速に変化していくでしょう。ますます高度化し、対応できる言語や相互作用が増えれば、可能性はほぼ無限に広がります。既にAIは生活の中に浸透しているので、音声認識AIが今後も生活においてさらに大きな役割を果たすと考えるのはごく自然なことです。医療と教育における音声認識AIの発展の見込みと、用途における可能性と懸念について書き出しておきます。

 

医療

今後も医療分野で音声認識技術の活用が広がれば、医師のメモ取りや処置数の管理だけでなく、患者の判断や扱える人数にも音声認識AIが役立つと期待できます。会話型AIは、高齢者や家に閉じこもっている患者が自分の状態を見極めるのを助け、医療の必要性の判断につなげることができます。音声アシスタントは、緊急処置を必要とするような薬の作用または副作用や症状について、患者に情報を提供することができます。

 

教育

教育分野での音声認識AIの導入は、さらに進むことが予想されます。 生徒からの基本的な質問への対応に音声アシスタントの利用を始めた教師の多くは、その有用性を実感し、今後も利用を続けていくとしています。

教育現場での利用も踏まえ、現在、チャットボットの利用体験をいかに向上させるかという研究が盛んに進められています。どうすればチャットボットによる会話を、より自然な会話に近いものにできるかーこれが可能になれば、教室以外の異なる場所や分野でのチャットボットの活用用途が広がるでしょう。

 

インターネット検索

音声認識AIは、検索行動にも変化をもたらしています。AIスピーカーの音声アシスタントを利用して買い物をする人が増えており、音声広告の市場も拡大してきています。このことは、広告業界が音声広告を作ったり、音声によるブランディング(既存の視覚ではなく聴覚に訴えるブランディング)したりすることに重きを置いていることを意味します。音声での検索や、利用が増えれば、テキストを読み上げるだけの機能ではなく、キャッチーな広告や自然な音声に置き換わっていく可能性が高いでしょう。

 

モバイルアプリの統合

多くの専門家は、音声認識AIとアプリとの統合が一層進むと予測しています。例えば、フォームやインターフェースへの入力操作を音声で行うことによって軽減または削減することは、ユーザーにとっての使いやすさを向上させることができます。ランニングなどの運動をしている時、中断してまでフィットネス・アプリをいじりたいと思う人は少ないはずです。音声認識AIを搭載したフィットネス・アプリであれば、運動を中断することなく、設定を変えたり、進捗状況を記録したりすることができます。音声認識AI搭載のアプリが増えれば、ユーザーにとってのメリットは高まることでしょう。

 

セキュリティ対応

ただし、パソコンであれスマートフォンなどのモバイル端末であれ、インターネット上の操作におけるセキュリティとデータのプライバシー保護は大きな懸念事項となっており、音声認識AIも例外ではありません。AIスピーカーは、録音こそしていないものの ことが明らかになったことで、こうしたデバイスのプライバシーとセキュリティに関する懸念が高まりました。音声認識AIが生活に溶け込むにつれ、個人情報の安全性を確保する方法確保が必要となっています。

 

すでにAIは日常生活にもすっかり入り込んでおり、日進月歩で開発が進められています。宿題を手伝ってくれる音声認識AIアシスタントや、学術論文の編集を手伝ってくれる など、役立つAIツールの例は数え切れないほどあります。音声認識AIが進化することで、よりスムーズでパーソナライズされた時代がやってくることを期待しましょう

 

 

 

 

「In this paper」と 「In this study」−違いはあるの?

多く人は、「in this paper(この論文では)」と 「in this study(この研究では)」というフレーズを好みによって選びます。

 

どちらも著者が文脈を築くときに役立ち、通常は学問や研究の場で使用されます。

一見似ているこのフレーズ、あまり知られていませんが、実は意味が微妙に異なります。

この2つはどう違うのでしょう?

 

では、詳しく見て、混同を解消しましょう。

In this study

Study(研究)」とは、特定のテーマについて調査もしくは検証をすることをいいます。「Research」の類義語です。

 

research」という語が、

例文
Recent research suggests that drug A is more effective than drug B.

(最近の研究では、A剤がB剤よりも効果的であることが示唆されている。)

 

のように用いられるとき、ある特定の分野で行なわれた探究を意味します。

 

同様に、「In this study」というフレーズは主題となる研究を示します。

 

例えば、

 

例文

In this study, we analyzed the genome-wide changes in gene expression.

(本研究では、遺伝子発現におけるゲノム規模での変化を解析した。)

 

ここでわかるのは、ゲノム規模での変化が、「study」、すなわち実際の調査で解析されたということです。

 

In this paper

 

「Study(研究)」の内容や知見は「paper(論文)」を通じて報告されます。「paper」とは、「study」の目的、方法、結果、導き出された推論を記した論文(小論や記事)のことです。

 

例えば、

 

例文

In this paper, we reported the true form of the DNA.

(本論文では、DNAの真の構造について報告した。)

 

この場合、「paper(論文)」が、DNAの真の構造についての発見を報告した学術コミュニケーションの媒体であることがわかります。

 

ちょっとややこしいと思われるかもしれませんが、しっかり意味を理解すれば、自然に使いわけて書くことができるようになるでしょう。

「Adsorption」と「Absorption」の違い

A teacher was grading a student's essay when he came across a strange sentence.

 

To become the Major of the town, I must have a Mayor in political science,

(You must be a Political Science Mayor to be a Town Major.)

 

I noticed this mistake right away. The student clearly did not read back his own passage. Fortunately, the teacher understood the intended meaning from the context and ignored the student's failure.

It would be nice if all the misspellings were harmless like this and you could just sigh with disappointment, but watch out for the following common spelling mistakes in academic writing!

 

Now let's look at the topic of this article, the difference between "absorption" and "adsorption".

 

Adsorption」と「AbsorptionAbsorptionは、スポンジやろ紙による水の吸収のように、
イオン、原子、分子が気体、液体もしくは固体に入る化学的または物理的過程を表します。
Adsorptionは、水を浄化するためのミョウバンによる不純物の吸着のように、液体、気体、浮遊物が物質の表面に集まる物理的過程です。

 

「absorption(吸収)」と「adsorption(吸着)」はどちらも2つの物質の相互作用による現象ですが、吸収が物質全体に起こるバルク現象であるのに対し、吸着は物質の表面だけに起こる現象です。

 

「absorption」という言葉は日常的なコミュニケーションのなかでよく使われますが、科学用語である「adsorption」はアカデミックな場以外ではほとんど使われません。

 

このふたつの言葉は同音異義語に近いものの、互換性はありません。

一見すると些細な一文字違いに思えますが、アカデミック・ライティングでは大きな意味を持つわけです。

 

具体的には?

 

では、この空欄を埋めてみましょう。

 

例文

Roots of plants _____ water. 

(植物の根は水を_____する。)

 

「absorb」は科学的に証明された事実を示す一方で、「adsorb」では紛らわしく、疑問の余地が湧くまったく不条理な構成の文となってしまいます。

学術的な文章は、明解な情報伝達が求められ、歪曲できない証拠と観察に基づきます。だからこそ正しい言葉を用いることは望まれるばかりか、必須なのです!

 

もう少し、「absorption」と「adsorption」の正しい使用例を見てみましょう。

 

例文

:Solar radiation is adsorbed in the Earth’s atmosphere.

:Solar radiation is absorbed in the Earth’s atmosphere.

(太陽放射は地球の大気圏で吸収される。)

 

例文

:Gases are absorbed on the plane surfaces of glass.

:Gases are adsorbed on the plane surfaces of glass.

(気体はガラスの平面上に吸着される。)

 

Absorption」と「Adsorption」の違いを覚えるコツ

 

まったく別の意味をもつ「absorbed」と「adsorbed」をどのように覚えればいいのでしょうか?ここでは、簡単なコツをご紹介します。

 

  1. Bulkバルク)の「B:「absorption」の「b」は、表面を超えて全体で生じる「バルク」現象と覚えると役立ちます。
  2. 練習あるのみ:かなりベタな提案ですが、今も昔も効果がある方法です。「absorption」と「adsorption」の例文をたくさん書き出してみて、しっかり意味を把握しましょう。

 

今回は「absorption」と「adsorption」を解説しましたが、次はどんな紛らわしい単語を解決してみたいか、ぜひ教えてください。